MASI

アマローネの伝統と革新を世界へ届けるワイナリー、MASI


1772年、ヴェネト州ヴァルポリチェッラ地区に誕生したMASI。ワイナリー名は、創業の地である「Vaio dei Masi(マァジの小さな谷)」に由来しています。

200年以上にわたりボスカイーニ家によって受け継がれ、現在は6代目当主サンドロ・ボスカイーニ氏、そして7代目となるラッファエレとアレッサンドラを中心に、その歴史と哲学が未来へと継承されています。

MASIは、アマローネ発祥の地ヴァルポリチェッラ・クラッシカにおいて、最も優れた畑を所有する生産者のひとつとして知られています。そして今や、単なる名門ワイナリーに留まらず、“アパッシメントのスペシャリスト”として世界中から高い評価を受ける存在となっています。

ボスカイーニ家が紡いできた挑戦の歴史

1772年、ジョバッタ・ボスカイーニは、トルベ村にある「Vaio dei Masi」の畑を取得し、ブドウ栽培とワイン造りを開始しました。その後、一家はヴァルガタラ・ディ・マラーノへと拠点を広げ、新たな畑の開墾と醸造所の設立を進めていきます。

19世紀半ばには、4代目ジュゼッペ・ボスカイーニが当主となり、栽培・醸造だけでなく、優れたビジネス感覚を発揮。MASIの名をヴァルポリチェッラで確固たるものにしていきました。

そして1960年代、5代目グイード・ボスカイーニの時代に、大きな革新が生まれます。“リパッソ”技術による「カンポフィオリン」の誕生です。フレッシュなワインをアマローネの搾りかすとともに再発酵させるこの革新的な製法は、後にヴァルポリチェッラを代表する醸造技術のひとつとなりました。

さらに1970〜80年代には、栽培・醸造・マーケティングの専門家を集めた「MASIテクニカル・グループ(MTG)」を設立。伝統を守るだけではなく、科学的研究と革新を積極的に取り入れることで、MASIは世界市場へと歩みを進めていきます。

左から:ラッファエレ、サンドロ、アレッサンドラ

“ミスター・アマローネ” サンドロ・ボスカイーニ

6代目当主サンドロ・ボスカイーニは、その功績から世界中で“ミスター・アマローネ”と称されています。彼は、アマローネというワインを世界的カテゴリーへ押し上げた立役者のひとりであり、MASIの名をイタリアワイン界を代表するブランドへと成長させました。

サンドロの哲学は明確です。それは、“伝統を未来へ進化させること”。

古代ローマ時代から続くアパッシメント製法を単なる伝統技術としてではなく、現代ワインとして昇華させることに情熱を注ぎ続けています。現在では、7代目のラッファエレとアレッサンドラ、さらに若い世代も加わり、家族経営ならではの価値観と革新性を両立させながら、新たなMASIの歴史を築いています。

MASIの核となる哲学、アパッシメント製法

MASIを語る上で欠かせないのが、ヴェネト伝統の醸造技術「アパッシメント」です。

これは、収穫したブドウを竹製の棚の上で長期間乾燥させ、水分を失わせることで、糖度・アロマ・タンニン・旨味を凝縮させる伝統製法です。

厳選されたブドウは、専門家によって丁寧に乾燥棚へ並べられ、冬の長い時間をかけてゆっくりと乾燥されます。乾燥によってブドウの重量は30〜40%減少し、その過程で香りや味わいはさらに複雑さを増していきます。

またMASIは、自然な乾燥環境を再現する「NASAシステム(天然アパッシメント助長システム)」を導入するなど、伝統と最新技術を融合させた革新的な取り組みも行っています。現在、アパッシメント技術を用いたMASIワインのバックラベルには、その品質と真正性を証明する黄金色のロゴが刻まれています。

2014年には、アパッシメントした白ブドウを用いたスパークリングワインを世界で初めてリリース。ヴェネトの伝統技術に新たな可能性を切り拓きました。

また近年では、ヴィーガン・フレンドリー認証の取得や、ナチュラルワインのリリースなど、現代の価値観に寄り添った取り組みにも積極的です。MASIは、“伝統を守る生産者”であると同時に、“未来を切り拓くワイナリー”でもあるのです。

ヴァルポリチェッラ唯一、5種類のアマローネ

アマローネのエキスパートとして知られるMASIは、ヴァルポリチェッラ地区で唯一、5種類ものアマローネを生産しています。中でも、「マッツァーノ」「カンポロンゴ・ディ・トルベ」「ヴァイオ・アルマロン」という3つのクリュは、MASIを代表する存在です。

それぞれの畑は異なる土壌、標高、微小気候を持ち、さらに畑ごとに隣接する乾燥小屋の環境までもが、ワインの個性へ大きな影響を与えています。

MASIは、単に濃厚なワインを造るのではなく、“土地の個性をアパッシメントによって表現する”という哲学を追求しています。

MASI GREEN——環境への敬意

“私たちに果実を与えてくれる地球への感謝”