イタリアの「緑の心臓」と称されるウンブリア州
海には接していない小さな州ですが、湖と川が多くの水に恵まれ、州土の70%を占める緑の丘陵地帯はとても美しく、観光名所も多様で、その広大な風景に多くの人が心奪われます。ウンブリアはエトルリア時代から栄えていて、特にペルージャは重要な都市でした。古代ローマ時代は繁栄が続き、ローマとリミニを結ぶ重要なフラミニ街道はウンブリアを通っていました。
州都ペルージャは、古い町並みが美しいところで、外国人大学があり、多くの留学生が学んでいる地域でもあります。
最も有名なワインは白ワイン、オルヴィート

南のテルニ県では、DOCオルヴェニートが世界的に有名です。昔は貴腐菌の付着による黄金色の甘口ワインとして名声を誇り、教皇御用達でもありました。戦後は、辛口白ワインとして生まれ変わり、高度成長期に売り上げを伸ばした背景があります。トレッビアーノの一種であるプロカニコ、グレケットなどで造られるやさしい味わいのある白ワインで根強い人気があります。
北のペルージャ県では、DOCGモンテファルコ・サグランティーノMontefalco Sagrantinoが重要です。サグランティーノの起源はいまだにわかっていませんが、非常に特殊な品種でポリフェノールの含有量が異常に多く、色も濃く、タンニンが極端に強く、濃厚な味わいが生まれます。
DOCGモンテファルコMontefalcoは、白はグレケットやトレッビアーノ、赤はサンジョヴェーゼ、サグランティーノが10%~15%ブレンドされることによって、独自のスパイシーなトーンと力強さが加わりました。
トルジャーノでは、DOCトルジャーノ・ロッソ・リゼルヴァTorgiano Rosso RiservaがDOCGに昇格し、ふくよかで深みがある味わいを持つ複雑なワインです。
シンプルで繊細でデリケートな味わい

海がないウンブリアの料理は肉と野菜が中心に食されています。特徴的なのはひよこ豆、インゲン豆、レンズ豆などの乾燥させた豆類を多く食べることです。
ノルチャの近くのカステッルッチョ村の小さめのレンズ豆のレンティッキエ・ディ・カステッルッチョLenticchie di Casteluccioは高級品です。スペルト小麦も名産で、それを使ったミネストラ・ディ・ファッロMinestra di farroは伝統料理です。
生ハムやサラミはノルチャNorciaだけでなく、全州で造られています。黒トリュフも名産品として知られています。
卵入り手打ち麺タリアテッレTagliatelle、卵が入らないストロンゴッツィStrongozziなどはミートソースやトリュフと和えられています、隣接するラツィオの料理とも共通点が多く、ポテトのニョッキも一般的です。肉料理もシンプルなものが多く、鳩、羊、ヤギなどは炭火焼きで食べられることが多いです。子豚にハーブを詰めて丸ごと焼き上げたポルケッタPorchettaはパニーノに挟んでスナックとして食べられています。
そしてなんといっても、オリーヴオイルの品質が高く、優美で、繊細な味わいです。
出典・引用・参考資料/
『プロフェッショナルのためのイタリアワインマニュアル イタリアワイン2018~2021年版』発行所/株式会社ワイン王国 監修者/宮嶋 勲 協力/日欧商事株式会社