リグーリア州

首都ジェノヴァはイタリア最大の港町

わずかな耕作可能な土地を利用して、困難なブドウ栽培がおこなわれています。この州の魅力は100種類以上と言われる土着品種です。ピガートPigato、ヴェルメンティーノVermentinoで造られる白ワインは柑橘類、ハーブのアロマがフレッシュで、地中海的魅力に満ちています。

過去に多く栽培されていたのにも関わらず、ほとんど消滅してしまった品種や、まだ潜在能力を発揮できていない品種も多くあり、今後の発展に期待がかかります。

リグーアは、古代ローマ時代からイタリアとフランスを結ぶ重要な交通路として栄えました。産業革命以降は、重要な港町であるジェノヴァ、ラ・スペツィア、サヴォ―ナ周辺に、鉄鋼業、石油化学産業、重工業が発展し、第二次世界大戦後はロンバルディア、ピエモンテと共に高度経済成長の重要な役割を果たしました。

生産量が少なく、簡単には州外で手に入らないリグーリア州のワイン

リグーアで最も重要な赤ワインであるDOCロッセーゼ・ディ・ドルチェアックアRossese di Dolceacquaは、心地よい果実味があり、かすかにスパイシーなロッセーゼは軽い早飲みのスタイルから、熟成能力を持ったしっかりとした味わいのものまで様々なタイプがあります。

DOCオルメアスコ・ディ・ポルナッシオOrmeasco di Pornassioは、地元でオルメアスコと呼ばれるドルチェットで造られる赤ワインです。

DOCリヴィエーラ・リグレ・ディ・ポネンテRiviere Ligure di Ponenteは、ピガート、ヴェルメンティーノの出来が良く、石灰土壌で生まれるこれらの白ワインは、みずみずしい味わいと心地よいミネラルが特徴です。

ジェノヴァの東のリヴィエーラ・ディ・レヴァンテでは、チンクエ・テッレCinque Terreが有名です。チンクエ・テッレは5つの村の総称で、海に迫る絶壁の段々畑の風景は唯一のもので、世界遺産に登録されています。

ボスコ、アルバローラ、レヴァンテで造られる白ワインですが、手作りで農夫的なワイン造りをする生産者が多いです。白ワインでありつつも、ワインは色が濃く、常にやや酸化したトーンがあります。

チンクエ・テッレの陰干し甘口ヴァージョンが、DOCチンクエ・テッレ・シャッケトラCinque Terre Sciacchetraでこれもやや酸化したトーンのある非常に複雑なワインです。

トスカーナにまたがるDOCコッリ・ディ・ルーニColli di Luniの石灰土壌では、ミネラル分あふれる優美なヴェルメンティーノと味わい深いサンジョヴェーゼ・ベースの赤ワインが造られています。

海の幸と山の幸のバランスが取れた地中海料理

も有名なのはペスト・ジェノヴェーゼ Pesto genoveseで、バジリコ、松の実をすり潰してパルミジャーノ・チーズ(ペコリーノ・サルドを使う場合もある)とオリーヴオイルを入れたペーストです。パスタを和えるのに使われ、世界的に知られています。

地元ではトレネッテ Trenette、トロフィエTrofieなどのパスタが使われることが多いですが、魚料理に肉料理に添えられたり、ミネストローネの香り付けに使われたり、幅広く利用されています。

『プロフェッショナルのためのイタリアワインマニュアル イタリアワイン2018~2021年版』発行所/株式会社ワイン王国 監修者/宮嶋 勲 協力/日欧商事株式会社

ラヴィオーリに胡桃のソースをかけたパンソーティ・コン・ラ・サルサ・ディ・ノーチPansoti con la salsa di nociもリグーリアの代表的料理です。

港町なので、もちろん、魚介類を使った料理も多く、魚のスープは干鱈などを使ったブリッダ Buridda、チュッピンCiuppinなど種類も多いです。クリスマスイブに食べられることが多い豪華なカッポン・マーグロCappon magroは堅パンを敷き詰めた大皿の上に10種類近い魚介類、野菜を盛り付ける料理です。

チーマ・アッラ・ジェノヴェーゼはCima alla genovese は、仔牛のミンチ、胸腺、野菜、ゆで卵、松の実などを大きなロールにして火を通して、それを冷製にして食するもので、地元の食料品店でよく見かけます。

フォカッチャもよく食べられ、玉葱を載せたもの、チーズを載せたもの、オリーヴを載せたものなど種類も多いのが特徴です。

ひよこ豆の粉でつくる薄いタルトであるファリナータも絶品です。

全体的にリグーリアの料理は限られた食材をうまく活かしたもので、野生のハーブや森のキノコなどを頻繁に使います。オリーヴオイルはイタリアでも有名な地域で、青っぽいアロマが強烈なトスカーナのオリーヴオイルとは対照的に、繊細で、優美な味わいで、魚介類や野菜との相性が良いとされています。