ロンバルディア州

商業の中心地ミラノがあるロンバルディア州

イタリアで一番豊かな州で、国民総生産の4分の1を生み出しています。工業、金融、ファッション、メディアの中心地として、多くの外国人観光客が訪れ、世界中を魅了し続けています。

古代ローマ時代にはすでにミラノは重要な都市として栄えていました。中世からルネッサンス期にかけては、マントヴァのゴンツァーガ、ミラノのヴィスコンティ、スフォルツァ等の有名な貴族が都市を支配していました。

その後、フランス、スペイン、オーストリアなどの外国支配時代が続きましたが、ロンヴァルディアはイタリア統一運動の中心となり、イタリア王国成立に貢献しました。第二次世界大戦後は「奇跡の経済成長」の中心としてイタリア経済を引っ張り、南部からも多くの国内移民が流入しました。現在イタリアで最も人口の多い州で約1000万人近い人々が暮らしています。

ロンバルディア代表する3つのワイン生産地

冒頭でも触れた、国内移民により急増した人口にワインを供給する役割を担ったのがDOCオルトレポ・パヴェーゼOltrepò Paveseで、低価格のデイリーワインを大量に供給してきました。現在は、品質の高いワインを造る傾向が強くなっています。特にピノ・ネーロを使ったものが素晴らしいです。

スイスの国境に近いソンドリオ県ヴァルテッリーナでは、山の急傾斜にブドウ畑が張り付き、困難な条件でありながらもブドウ栽培が行われています。DOCヴァルテッリーナValtellinaは、果実味は少なく、スパイス、なめし皮のトーンが中心となる厳格なワインですが、フレッシュで陰影に富んでいて複雑な味わいが魅力的です。

ブレーシャ県のイゼオ湖の南に広がる丘陵地帯が高級瓶内二次発酵スパークリングワインのDOCGフランチャコルタFranciacortaの産地です。湖が作り出す温暖な気候でブドウは完璧に成熟し、湖の北に延びるプレアルプスから吹き込む冷風が酸とアロマを引き締め、氷河が運んできた氷堆石土壌が適度のミネラル分をワインに与えることで、喜ばしい果実味を持つ、生き生きとしたスパークリングワインが生まれます。

伝統を重んじる農村地帯の食と、ミラノを通じて外国の影響を受けた料理

前菜としてよく出されるのがミラノ風のサラミSalame Milano、ヴァルテッリーナの名産の牛肉の生ハムのブレサオラBresaolaです。

ピエモンテと並ぶ米の産地で、ミラノ名物のリゾット・アッラ・ミラネーゼRisotto alla milaneseはサフランの黄色が鮮やかなのが特徴です。

野菜のスープのミネストローネMinestroneは世界的にもあまりにも有名です。イタリアで最もよくポレンタPolentaが食される地方のひとつでもあります。

卵入り手打ちパスタを使ったラヴィオリRavioliも各地で食べられています。ヴァルテッリーナ地方のそば粉を使ったパスタであるピッツォッケリpizzoccheriはポテト、縮緬キャベツ、チーズを和えて食されます。

肉料理としては、カツレツのミラノ風のコストレッタ・アッラ・ミラネーゼ Costoletta alla milanese、仔牛のすね肉の輪切りの煮込みであるオッソブーコ Ossobucoなどが有名です。仔牛の胃袋をインゲン豆、トマトと煮込んだブセッカBusecca、豚足や豚の頭と縮緬キャベツの煮込みカッソーラCassoeulaなどは伝統的庶民料理としての歴史も持っています。

チーズの種類も豊富で、パルミジャーノ・レッジャーノに似たグラーナ・パダーノGrana Padano、ウォッシュタイプのタレッジョTaleggio、青かびタイプのゴルゴンツォーラGorgonzolaなどが有名です。

クリスマスの定番パネットーネPanettoneはミラノ発祥で、日本でも大人気のマスカルポーネMascarponeもこの州の名品です。

出典・引用・参考資料/

『プロフェッショナルのためのイタリアワインマニュアル イタリアワイン2018~2021年版』発行所/株式会社ワイン王国 監修者/宮嶋 勲 協力/日欧商事株式会社