イタリアの大農産地、プーリア州
広い平野を持ち、温暖な気候に恵まれているので、ブドウ、オリーヴ、穀物、野菜、果物が栽培され収穫量も多いです。ワイン生産量も常にイタリアのトップの座をヴェネト、シチリアと争っています。
プーリアは、マグナ・グラエキアの一部としてギリシャのもと栄えていました。古代ローマの時代には有名なアッピア街道がローマからブリンディジまで通っていたので、プーリアは東洋への門戸として重要な役割を果たすことになりました。西ローマ帝国崩壊後は、さまざまな民族の支配、東ローマ帝国、ノルマン支配を経て、ナポリ王国の一部となり、その時代に大土地所有制度が発達しました。
ここに住む人びとは、いかにも南部の人らしく非常にのんびりしていて、自分たちの伝統を大切に守ろうとしています。
量から質への転換を急スピードで進めている州

イタリアで最も山岳が少なく、北に位置するタヴォリエーレ平野は、ポー平野に次いで大きな平野です。気候は典型的な地中海性気候で、夏は暑く乾燥し、冬は温暖です。
州の中央内陸部に位置する石灰台地のムルジェで造られるDOCカステル・デル・モンテCastel del Monteは、プーリアで最もエレガントなワインとして知られています。白はパンパヌート、赤とロゼはネーロ・ディ・トロイア中心だが、標高300m-600mで造られるこれらのワインは、南のワインには珍しい涼しげなトーンがあり、フレンドリーで飲みやすいです。
2011年にカステル・デル・モンテ・ボンビーノ・ネーロCastel del Monte Bombino Nero、カステル・デル・モンテ・ネーロ・ディ・トロイア・リゼルヴァCastel del Monte Nero di Troia Riserva、カステル・デル・モンテ・ロッソ・リゼルヴァCastel del Monte Rosso Riservaが一気にDOCGに昇格して話題になりました。
海のほうで造られているDOCモスカート・ディ・トラーニMoscato di Traniは上質な赤ワインです。
カステル・デル・モンテとは全く対照的な産地がサレント半島のワインです。赤茶色をした粘土の多い石灰質土壌で生まれる赤ワインは、アルコール度数が高く、非常にパワフルで長期熟成能力を持ちます。DOCサリチェ・サレンティーノSalice Salentino、DOCスクインツァーノSquinzano、DOCコペルティーノCopertinoなどは、全てネグロアマーロをベースにした赤ワイン、ロゼワインです。
DOCプリミティーヴォ・ディ・マンドゥリアPrimitivo di Manduriaは、プリミティーヴォ品種で造られる、濃厚な果実味と高いアルコール度数を持つ赤ワインです。
甘口ワインであるプリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア・ドルチェ・ナトゥラーレPrimitivo di Manduria Dolce Naturakeは2011年にDOCGに昇格しています。
サレント半島のロゼワインは、チェリーなどのしっかりとした果実味があり世界的に人気があります。DOCジョイア・デル・コッレGioia del Colleは、マンドゥリアのものと比べるとややアルコールが低くより飲みやすいです。
地産地消の農民料理

プーリアの料理は、硬質小麦、野菜、豆類等、地元の食材を活かしたものが多いです。マッコ・ディ・ファーヴェ・エ・チコリアMacco di fave e cicoriaはプーリアらしい一皿。乾燥空豆を煮て、ピュレにして、チコリアという春菊に似た野菜を添えたもので、オリーヴオイルをたっぷりとかけて食べます。
羊や山羊もよく食されています。魚介類も豊富で、昔から生魚を食べる習慣があり、イタリアでは珍しい地方です。チーズは、日本でもよく知られているブッラータBurrataが有名です。
出典・引用・参考資料/
『プロフェッショナルのためのイタリアワインマニュアル イタリアワイン2018~2021年版』発行所/株式会社ワイン王国 監修者/宮嶋 勲 協力/日欧商事株式会社