世界有数の観光都市、ローマ。
古代ローマ帝国時代は、「世界の中心で、中世には、ローマ・カトリック総本山ヴァティカンのある「信仰の中心」であり、今はイタリア共和国の首都です。世界の芸術・文化遺産の30%がローマにあるといわれるように「永遠の都」ローマの歴史と文化の豊かさは、他に比べるものがありません。
現在、国内総生産はロンバルディアに次いで2位と重要な州であるが、そのほとんどが第三次産業です。
ラツィオも他の中部イタリアの州と同じでアペニン山脈と地中海に挟まれ、その間に広がる丘陵地帯を主なワイン産地としています。
ローマ郊外に広がるカステッリ・ロマーニと呼ばれる火山性土壌の丘陵地帯は、日当たりもよく、ブドウ栽培には適した土地です。古代ローマ以来のワイン造りの伝統もあり、テロワールに恵まれているのに、残念ながら個性を持った高品質ワインはあまり出いないのが現状です。理由としては、住民と観光客が大量にワインを消費してくれるので、努力をするインセンティヴが土地柄、働きにくいと言われいます。
ラツィオと言えば「エスト!エスト!!エスト!!!」!?

ボルセーナ湖の南のモンテフィアスコーネでは、オルヴィエート、フラスカーティと並んで最も有名なイタリア中部の白ワイン、DOCエスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネEst!Est!!Est!!! di Montefiasconeが造られています。
中世にドイツの司教の従者マルティーノが「先に村に行っておいしいワインがある店にはEstと書くように」と指示され、モンテフィアスコーネ村に来たところ、すべてのワインがあまりにも美味しかったので、村中の居酒屋の壁に「Est!」と書きまくったという伝説で伝えられているワインです。
味わいは、プロカニコ、マルヴァジア・デル・ラツィをベースに造られ、中部のイタリアワインらしく、酸が少なめで、喜ばしい果実味を持つ、比較的シンプルな白ワインです。
今後、ラツィオの起爆剤になることが期待されるのがチェザネーゼです。アペニン山脈の麓に広がる標高350-700mの石灰土壌丘陵地帯で栽培されるチェザネーゼからは赤い果実や胡椒のアロマを持つ、みずみずしく、スパイシーな赤ワインが生まれています。DOCGチェザネーゼ・デル・ピリオ Cesanese del Piglio、DOCチェザネーゼ・ディ・オレヴァノ・ロマーノ Cesanese di Olevano Romano、DOCチェザネーゼ・ディ・アッフィレ Cesanese di Affileの3つの呼称があり、
地元ブドウ栽培家が明確な個性を持つワインを生み出しています。ただPR能力が欠けているのか、ワイン自体は素晴らしいものであるにもかかわらず、知名度が上がらず、まだ幅広く配給されていない現状があります。
世界から愛される家庭的なローマ料理

素朴な家庭料理で、はっきりとした味わいが多いのが特徴です。
オリーヴオイル、ニンニク、唐辛子を多用する南イタリアを感じさせる料理です。羊飼いの料理の影響も強く、塩辛いペコリーノ・ロマーノ・チーズもよく使われています。一方で、ユダヤ料理の影響も受けており、アーティチョフをオイルで揚げたユダヤ風アーティチョフのカルチョーフィ・アッラ・ジュディア Carciofi alla giudiaは代表的前菜として知られています。
生ハムやモッツァレッラを入れた小さめのお米のコロッケのスップリ・ディ・リーゾSuppli di risoはピッツェリアやバルでよく食べられています。
卵入り手打ち麺よりもスパゲッティなどの乾麺が食べられることが多く、ペコリーノ・ロマーノと胡椒だけでスパゲッティを和えたシンプルな羊飼い料理のスパゲッティ・カーチョ・エ・ペーペSpaghetti cacio e pepe、その豪華版でパンチェッタ(またはグアンチャーレ)と卵が加わったスパゲッティ・アッラ・カルボナーラSpaghetti alla carbonara 、グアンチャーレ、トマト、トウガラシ、ペコリーノチーズのソースで和えたブカティーニ・アッラマトリチャーナBucatini all’amatricianaなどが有名です。
これらは家庭でも簡単につくれるメニューで、このシンプルさと明確な味わいはまさにローマらしいとされています。
メインディッシュの乳のみ仔羊の骨付きアバラ肉を焼いたアバッキオ・アッラ・スコッタディートAbbaccio alla scottaditoは手でつまんで食べる料理です。牛のテールをトマトと煮込んだコーダ・アッラ・ヴァッチナーラCoda alla vaccinara、仔牛の胃袋のトマト煮込みトリッパ・アッラ・ロマーナTrippa alla romanaはローマの内臓料理の代表です。
リコッタ・チーズもよく食されるが、それを使ったタルトのトルタ・ディ・リコッタ Torta di ricottaはデザートの定番として愛されています。
出典・引用・参考資料/
『プロフェッショナルのためのイタリアワインマニュアル イタリアワイン2018~2021年版』発行所/株式会社ワイン王国 監修者/宮嶋 勲 協力/日欧商事株式会社